ウェリントン発、EX-HIST通信。ニュージーランドの首都ウェリントンにおいて、
南米連合文化使節団が提唱する「環境演劇」の導入を巡り、地元芸術界で賛否が分かれている。太平洋環境保護同盟が主催する文化交流プログラムの一環として、
南米連合は「海洋的生態主義」と「パチャママの原則」を融合させた新たな演劇形式を提案。これは、従来の劇場空間ではなく、自然環境や農地そのものを舞台とし、観客も劇に直接参加する集団的な祝祭形式を特徴とする。
使節団は、この演劇が「人類と自然の連帯を再認識させ、地域コミュニティの結束を強める」と主張している。しかし、ウェリントンの主要劇団「エメラルド・ステージ」の代表は、「劇場芸術の伝統が軽視され、特定の思想が文化交流の名目で持ち込まれることへの懸念」を表明。一部の評論家も、「南米連合のソフトパワーが過度に介入し、ニュージーランド独自の文化的多様性を損なう可能性がある」と指摘している。
一方で、環境保護団体や一部の若手芸術家からは、「既存の形式に囚われない革新的な試みであり、海洋国家としてのニュージーランドのアイデンティティと共鳴する」として、導入を支持する声も上がっている。現時点では、この演劇形式を巡る議論はウェリントン市内の限定的な範囲に留まっており、大規模な反対運動や混乱には至っていない。しかし、南米連合の文化戦略がANZ地域に深く浸透する中で、文化的なアイデンティティを巡る対立が今後も継続する可能性を示唆している。