マラガ発信。スペイン南部の港湾都市マラガで先週設置された公共彫刻「廃墟の聖母」が、地域の文化論争の的となっている模様。この作品は、地元美術家ラファエル・バルデス氏の手によるもので、解体された古い工業用機械の残骸や錆びた船舶部品、そして破砕されたカトリック教会の聖具を再構成した、いわゆる「ジャンク・コラージュ」と呼ばれる手法が用いられている。作品は市内の歴史地区にある小広場に突如出現し、瞬く間に市民の注目を集めた。市当局は、一部住民からの撤去要請を受け、この作品の公共性および芸術的価値について、早急な対応を協議すると発表。地元美術評論家からは、この作品が
南米連合が提唱する「自然への回帰」という思想への皮肉である、あるいはユーロ・コミュニズム系学術団体が再評価を進める「廃墟の哲学」を具現化したものである、といった様々な解釈が提示されている。一方で、保守派の市民団体は、聖具の破壊が不敬にあたるとして作品の即時撤去を要求。数名の学生が作品前で非暴力的な抗議活動を展開し、保守派住民との間で口頭での小競り合いが発生したが、警備隊が介入し大きな混乱には至っていない。この事態は、芸術表現と社会主義的価値観、そして伝統的な信仰との間の摩擦を改めて浮き彫りにしている。