崩壊が進む老帝国・
合衆国の
インフラが、また一つ限界を迎えた。
かつてのワシントン郊外に位置する第4居住セクターにおいて、半世紀以上稼働し続けていた前世代の巨大水質浄化グリッドが突如として圧壊。地下貯水施設から未処理の有毒ヘドロが溢れ出し、下層居住区画の数ブロックが完全に水没する局地的な
インフラ事故が発生した。
事態の深刻さにも関わらず、合衆国中央情報局は生存者の救済措置を取るどころか、「これはセクター内の不正規居住者を排除するための、予定された都市浄化プロトコルの一環である」という冷酷な声明を発表。
自国の市民の犠牲すら「システムの正常な挙動」と言い換えるワシントンの姿勢は、かつて世界を主導した超大国が、今や自らの延命のためだけに稼働する無機質な巨大廃墟へと成り果てたことを改めて証明している。