【北京発】
中国内陸部の国境地帯で、老朽化した「沈黙の壁」の電波妨害網を迂回しようとしたとされる複数の人物が治安部隊により拘束された事件に関し、ソビエト連邦が中国政府に対し非公式な照会を行っていたことが、両国の
外交筋からの情報で明らかになった。
照会は、拘束された人物が所持していたとみられる粗製の通信機器から、
ソ連国境監視所が使用する特定の周波数帯への未許可の通信試行が検出されたことを巡るものとされる。ソ連側は、今回の拘束が国境地帯の平穏と、いかなる偶発的な越境者に対する人道的な扱いに配慮すべきであると主張している模様だ。
これに対し中国外務省は、本件は中国の主権に関わる内政問題であり、国境の安全保障を維持するための正当な措置であるとの見解を示し、ソ連側の照会を一蹴した。中国内陸部では、「沈黙の壁」の機能不全に乗じた「電波密輸」活動が活発化しており、これに対する治安維持部隊の取り締まりが強化されている。今回のソ連による照会は、絶対鎖国体制下の中国が抱える内部の脆弱性が、外部勢力との間の新たな外交的摩擦の火種となりつつあることを示唆している。この問題は、両国間の国境における緊張を微妙なレベルで高める可能性がある。